「働き過ぎだ」と揶揄され、そのワーキングスタイルが槍玉に挙げられることも多い日本。

しかし、日本人は本当に働き過ぎなのでしょうか?世界各国と日本の休日・休暇の現状を比較しながら、その本質に迫ります。

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休暇といってまず思い浮かぶのが、有給休暇です。オンライン旅行会社Expediaでは、世界24カ国の有給日数や消化率について調査しています。その調査によると、日本は2008年から連続6年間『有休消化率ワースト1』を記録しています。2014年には、韓国を上回る消化率で最下位はまぬがれたものの、依然その休暇日数・消化率ともに低い水準です。

2014年のデータでは、日本は「有給支給日数:20日、消化率:50%」という値で、1位のブラジル・フランス・スペインの「有給支給日数:30日、消化率:100%」と比べるまでもなく、休みのとりにくさがうかがえます。同調査では、有給を取得する際に罪悪感を感じる人の割合も比較しているのですが、日本人は26%が「罪悪感を感じる」という結果で、全世界1位に…。

では、堂々と休暇を取得している世界の人々は、どんなバカンスを過ごしているのか、夏期休暇について調べてみましょう。バカンスの代表格のようなヨーロッパの国々は、最低でも2週間程度の休みをとるのが一般的のようです。フランスは1ヶ月近く休む人も多く、デンマークでは労働者の夏休みを義務づける法律もあるとか。一方、アメリカは1週間程度休むのが普通で、それほど長期にわたって休みをとりません。また、アジアの国々、韓国や中国の夏休みは2、3日程度にとどまり、旧正月や秋夕に合わせて長く休みを取るようです。

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このように、世界各国と比べてもだいぶ控えめに感じる日本の休暇事情ですが、実は「日本は休暇が多すぎる」という意見もあるのです。というのも日本は、一斉休日となる「祝祭日」の日数が飛び抜けて多いのをご存知でしょうか。さきほどランキング上位を占めたブラジルが8日、フランス・スペインが9日程度なのに対し、日本は17日。お盆休みや年末年始が、有給休暇とは別に設定される企業も少なくないことから、実質的な休日数は世界と比較しても、それほど少なくないのかもしれません。

一斉休日は、自分の都合で休みをとることをためらう「集団主義」の日本人が休暇を得るためには、ある程度適した制度だったのでしょう。しかし、そのことによって長期休暇の実現が阻害されてきたことは否めません。また、全国で休日が集中することによって、観光地の混雑や各種料金の値上がりなど、不便が生じているのも事実です。横並びを脱し、各人が自律して働き生産性をあげるためにも、そして長期休暇の満足感を得るためにも、日本でも一斉休日から有給休暇へのシフトが必要な時期にさしかかっているのではないでしょうか?

<参考>
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/rxr_detail/?id=20120802-00025176-r25
http://diamond.jp/articles/-/66508?page=2
http://welove.expedia.co.jp/infographics/holiday-deprivation2014/
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2247?page=2