あなたは、就職や転職、キャリアチェンジの相談を誰にしていますか?

友人や家族、あるいは仕事仲間に話を聞いてもらう人も多いかもしれません。しかし、親しい間柄だからこそ伝えられないことや、あなたを気遣って指摘できないこともあるのではないでしょうか。キャリア形成や就職・転職市場に精通したプロに、より客観的な判断を仰ぎたいと思うことはありませんか。

career-consultant02

キャリアコンサルタントは、こうしたキャリアに関するさまざまな問題を解決する職業で、主に人材と仕事のマッチングや、キャリア形成へのサポートを行っています。一般的な企業はもちろん、学校の就職関連の部署や、ハローワークやNPOなど、多くの団体で手腕を発揮してきました。そんなキャリアコンサルタントが、平成28年4月から国家資格となることが決定しました。

実は現在すでに、キャリアコンサルタントの技能を認定する資格があります。10の民間機関が実施しているもので、標準レベルのキャリアコンサルタントとして認められてきました。また、国家資格としても別個に、キャリアコンサルティング技能士(1級・2級)を定め、より熟練した指導者としての技能を保障してきました。

今回の国家資格化は、現在民間企業が認定している、標準レベルのキャリアコンサルタントを国家資格として確立させるものです。現在は資格の有無にかかわらず名乗っている「キャリアコンサルタント」「キャリアカウンセラー」「キャリアアドバイザー」といった名称が一本化され、さらに国家資格の取得無しには利用できなくなります。また、5年ごとに免許の更新が必要となるので、業務の質は高まり、より資格に信頼性が増すことでしょう。

career-consultant01

では、現在も国家資格として認定されている「キャリアコンサルティング技能士」との棲み分けは、どのようになされるのでしょうか。これについて、法案上での明記は見当たりません。新設の資格は「免許」として、技能士はあくまで技能を問う資格として存続するようです。

キャリアを築く上での環境の向上を目指し、新たに取り組まれるのは国家資格の制定だけではありません。新法制では、社内に相談内容がもれないように、罰則付きの守秘義務が課され、面談を制度化している企業への助成金も拡充されます。会社員が自分と組織・現在と将来について見つめ直す機会が増え、適正な人事制度が整えられることが望まれています。

これまで以上に確立された地位で、働く人を支える職業となる、キャリアコンサルタント。経験や感覚ではなく、理論に裏打ちされたコンサルティングは、単なる相談以上の結果をもたらしてくれるでしょう。進むべき道に迷った時は、積極的に活用していきたいですね。

<参考>
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS14H0N_V20C15A8MM0000/
http://www.brush-up.jp/article/shikakuj/247/
http://el.jibun.atmarkit.co.jp/career/2015/04/150-6bda.html
http://www.jaic-college.jp/shinejob/career_consultant20150827/
http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20150630/209241/