1991年、バブル景気崩壊後、失われた20年の始まり以降、多くの企業では「コスト削減」を目指した経営が行われてきました。当然、合理的に無駄を省くだけでなく、過度に人件費を節約することで、コスト削減を達成しようとする企業も現れました。

こうして、極端な長時間労働や、劣悪な環境での労働、また休みがとれないなど、「ブラック企業」の問題が指摘されるようになりました。
では、実際の「ブラック企業」とは、どんなものなのでしょうか。

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一番顕著なのは、長大な労働時間。ネット上では、200時間を超える残業や、3ヶ月休みなしといった事例もあがっています。また、病欠や慶弔休が取れず、出社を強要された事例も。会社の体質自体が問題なこともあります。

ある会社は「体育会系」をうたい文句に、上司が部下を平手打ちしたり、蹴ったりといった暴力が横行していたそうです。さらに変わったところでは、宗教の強要も。始業時間より早く出社し、1時間近く社長の信仰する宗教の神様に、お祈りを捧げる慣習があったとか。

では、こういった「ブラック企業」を入社前に見分けることはできないのでしょうか。求人広告や面接時に、いくつかのポイントを確認することで、ある程度の自衛ができそうです。まずは、その求人は長期間募集されていないか?ということ。1年中、求人を続けているようなものは要注意です。人員の入れ替わりが激しいことが予測され、ブラックな扱いがその原因となっている可能性があるからです。
また、応募者に対するいい加減な対応や、その場で内定を出すなど、おざなりな面接がなされた場合には企業の体質を疑ってみる必要があるかもしれません。

とはいえ、初めての業界や企業に対して、求人広告の言葉尻や面接でのわずかな時間のやりとりから、「ブラック度合い」をはかるのは、簡単なことではないでしょう。
そんななか、2015年2月末に、ブラック企業対策を見据えた、法律改定が発表され、10月から施行されることになりました。

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ブラック企業に関連した内容を簡単にまとめると、以下の3点になります。
1つ目は『ハローワークでは労働関係法令違反(=ブラック企業)の求人は受け付けない』。これによって、ハロ―ワークで求人されている企業は、少なくとも法令遵守がなされていると安心できます。

2つ目は『企業の職場情報を応募者が受け取ることができる』というもの。求職者が必要だと感じれば、企業から離職率や休暇の取得率、残業時間といった情報の開示を受けることができます。

3つ目は、『優良な雇用管理をしている中小企業は、認定を受けることができる』というもの。こちらも、求職者にとっては分かりやすい判断材料となりそうです。いずれも新卒採用に限っての実施ですが、ハローワークがブラック企業に足を踏み入れるのを防ぐ一つの障壁となることが期待されます。

<参考>
https://ja.wikipedia.org/wiki/ブラック企業
http://matome.naver.jp/odai/2142061520079575701
http://ブラック企業ハローワーク.com/taikendan.html
http://tabibitojin.com/office_black-3/