FacebookやLINEといったSNSが、日常的なツールとなった昨今。
採用の現場でも、そうしたSNSを活用する企業が増えつつあります。では、SNSを使った採用活動は、企業にとってどんなメリットがあるのでしょうか?

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多くの企業では、既存の求人サイトを使って採用を行っています。ある金融業の採用担当者によれば、年間の採用コスト約3000万円のうち、求人サイトへの支払いはおよそ1000万にのぼるとか。また、資金力のある大手が求人サイトの目立つ部分を占領し、中小企業の情報は埋もれてしまうこともしばしばです。
求人情報の発信を外部へ委託することなく、直接応募者とやりとりできるSNSを使うことによって、大幅なコストカットや資金不足の解消が可能になるのです。

では、実際にどんなサービスが展開しているのでしょうか?現在、既に多くの人がユーザーであるFacebookには、採用アプリケーションが数多く登場しています。例えば、『Social Job Posting』。求人票の公開、求職者とのコミュニケーションや交友関係の閲覧など、双方向のやりとりが可能です。『Wantedly』もFacebookと連動したサービス。「話を聞きたい」ボタンが設置され、企業と求職者がゆるいつながりをもちながら交流できるのが特徴です。友達への求職情報のシェアも盛んで、利用企業は急増しているといいます。また、前述の既存の求人サイトを運営するエンジャパンも、転職アプリ『enTree Work』を開発。Facebook上で、自社の社員の友人にアプローチすることができる機能が評判を呼んでいます。

Facebook以外の採用SNSは、どんなものがあるのでしょう。最も有名なのは『LinkedIn』ではないでしょうか。ビジネス専門のSNSで、ビジネスパートナーや人材をさがしたり、新たな顧客の開拓をしたりするのにも頻繁に使われています。日本でも100万人以上が登録していると言われる、このSNS。プロフィールが職務経歴書として機能していて、ヘッドハンティングや人脈形成にも利用されおり、もちろん採用ツールとしても一役買っています。

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その他にも多くのSNSが開設されていて、例えば『Job Share』は、情報の発信に重きがおかれています。ここで使われているのが、求人情報をより広く拡散するために、求人情報をシェアした人にも報酬が支払われるという仕組み。採用が成立したときに、転職者への祝い金とともに、仲介料が渡されます。さらには、特定の業種にターゲットをしぼったものも。『Forkwell』は、主にエンジニアを対象にしたSNSで、自分のスキルやポートフォリオを登録すると、閲覧者からの評価を数値として表示できます。

企業にとってのメリットはもちろん、求職者にとっても利点の大きい「ソーシャル採用」。友人とのつながりを利用し、自分のアピールを直接企業にぶつけられる新たな手段は、中途採用市場でいよいよ存在感を増しそうです。

<参考>
http://president.jp/articles/-/5525
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO51705530U3A210C1HR0A00/
https://forkwell.com
http://www.invision-inc.jp/tool/socialrecruiting/