デスクワークに従事する人なら、腰痛になったり脚がむくんだりといった不調は、誰しも経験があるのではないでしょうか。日々の運動不足を気にしている人も少なくないでしょう。2002年には、座りすぎによって、糖尿病や肥満、心血管系が引き起こされるという『セデンタリー・デス・シンドローム』という言葉が作られ、ガンや糖尿病へのリスクが高まるだけでなく、運動による刺激が少ないので、椎間板ヘルニアや内蔵の機能不全が引き起こされることもあるといわれます。2012年には「一日10時間以上座っている人は4時間以下の人に比べて病気になるリスクが40%以上も高くなる」という驚きの発表もWHOからなされました。
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そんな、オフィスワーカーの状況を一気に改善するのが「スタンディングデスク」。その名のとおり、立ったままPCや書き物などの事務作業ができるという代物なのですが、実はシリコンバレーを中心に、数年前から欧米でじわじわと注目を集めているのです。高機能のものでは、電動で天板を昇降させ高さを調整できるので、作業によって姿勢を変えることも可能だそう。流行は欧米だけでなく、2013年には、日本でも売上が前年比140%に伸びたというから驚きです。
実際、Facebook、Twitter、GoogleといったIT企業だけでなく、アメリカでは一部の警察署でも取り入れられているようです。また、評論家の勝間和代さんや漫画家の古谷兎丸さんなど、著名人にもスタンディングデスク愛好家が生まれています。そもそも、18~19世紀にも立って仕事をするスタイルが流行したことがあり、英国のウィンストン・チャーチル元首相、作家のアーネスト・ヘミングウェイ、米国のラムズフェルド元国務長官もスタンディングデスク愛好者であったと言われています。

健康という側面から拡大してきたスタンディングデスクの使用ですが、立って作業することによって、生産性が最大で10%向上したという研究結果もあります。オフィス家具の内田洋行では、「机の高さと作業効率」について実験し、比較的高い机では、情報出力がはかどり、さらに高いスタンディングデスクではチームワーク作業がはかどる、という結果を得ました。立つことによって集中力が高まった、という印象を感じる人も多いようで、仕事自体の効率や質の向上にも一役買っているようです。

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一方で、作業によっては効率が落ち、また疲労が強すぎて日々のスタイルには向かないと感じる人も少なくないようです。作業者に合った適切な机の高さを考慮し、作業によって「立つ/座る」を柔軟に選ぶことで、スタンディングデスクでの作業がより実をもたらすものとなりそうです。

腰痛・肩こり・むくみや運動不足解消には最適なスタンディングデスク。健康と効率アップの観点から、導入を検討してみるのも良いのではないでしょうか?

<参考>
http://matome.naver.jp/odai/2136816331150235201http://diamond.jp/articles/-/51817
http://dot.asahi.com/apc/2015021700054.html
http://www.lifehacker.jp/2014/04/140413standing_desk.html
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/wxr_detail/?id=20150109-00040052-r25