福祉とは、心の手当て
社会福祉法人 滴々会が運営する、高齢者総合福祉施設 音野舎では「心のふれあい」「真心のサービス」を大切にしながら、以下の8つの高齢者福祉事業を展開しています。
①特別養護老人ホーム
②ショートステイ
③ケアハウス
④ケアプランセンター
⑤デイサービスセンター
⑥ヘルパーステーション
⑦グループホーム
⑧小規模多機能ホーム
1997年に南九州市知覧に設立され、20年以上の歴史がある高齢者総合福祉施設です。福祉=心の手当てという思いを胸に、100名以上の職員が日々、高齢者と向き合っています。
「滴々会」と「音野舎」の名前の由来
滴々会(てきてきかい)に、音野舎(のんのしゃ)と変わった名前の由来について。
まずは、滴々会から。
天の水が深山にしみ入り、ながいながい年月を経ながら岩間に滴る水は、一滴一滴、地上の万物に生命の息吹を伝えます。
滴(しずく)は、互いに寄り集まって清流となり川となって、触れるものすべてを育みながら流れて行きます。人の愛もこの滴のように一人一人の心の中から湧き、流れて行きます。
私たちは、この自己の愛を自覚し、その愛を心貧しい人に、病める人に、老いた人に、やがて命終える人に、また命ある全てのものに伝えていかねばなりません。それは、私たちの素直で明るくあたたかい心からの行動となって伝えられていくべきものと信じます。
小さな美しい水滴に倣って『滴々会』と命名いたしました。
続いて、音野舎です。
この地は、第二次世界大戦の終末、沖縄特攻作戦により多くの若者たちが平和を信じながらその命を散華すべく飛び立って行った最後の場所です。
今では「夢たがい観音」を奉る平和観音堂が建立され、「平和への発信地」として全世界への呼びかけの一端を担い、また平成四年には「平和を語り継ぐ町」を宣言し、この地が平和への主役であることはいうまでもありません。
現在、新市街地として変貌しつつありますが、この地に立ちますと広い野原(飛行場跡地)として見え、通り行く風は美しい音律となって聞こえます。
永遠の平和の地の一角を生活の場として、共に暮らす老人方にも安隠の場所となることを念じて『音野舎』と命名いたしました。
(社会福祉法人 滴々会HPより)
始まりは「自分たちで終のすみかを作ろう」
社会福祉法人 滴々会の成り立ちは、1980年代まで遡ります。当初は、今のような総合的な福祉施設というわけではなく「自分たちの終のすみかは、自分たちで作ろう」という考えを持った人々が集まって、一緒にお経を読んだり、お茶を楽しんだりするような形式でした。
そこに集まるのは、知覧に暮らす親しい間柄が中心で、最後の憩いの場を作る目的で集まっていたようです。
それが次第に形を変えて、1997年に社会福祉法人 滴々会が設立。そして、翌年の1998年から事業を開始しました。現在は南九州市内外から、多くの方が利用されています。
10年後も地域に貢献できるように
高齢化が進む日本国内で、社会福祉事業は非常に重要な仕事の1つです。
とはいえ、大変そうなイメージが先行しているのか、はたまた資格が必要な高度な職業と捉えられているのか、福祉業界で働きたいと考える若い世代は少ないようで、働き手が不足している現実があります。
また家族事情も時代の流れと共に変化していて、昔は良しとされていた親しさが、最近では思わぬ方向に働いてしまうこともあります。
そんな様々な難しさを抱える福祉業界ですが、音野舎の中には
「お年寄りから教えてもらうことの方が多い」
「福祉業界で働くことが楽しくて仕方がない」
「頼ってもらうことが嬉しい」
と話す職員もいます。
福祉を取り巻く様々な事情の中で、私たちにできることは限られているかもしれません。
それでも私たち音野舎は、10年後も地域に貢献できるような社会福祉施設を目指し、理念である「心のふれあい」を大切にし「真心のサービス」の提供に努めています。
現在働いている職員の中には、85歳まで働いている人や、定年後の60歳から働きはじめた人もいます。理想としては、これからの福祉業界を支えていくような30〜35歳あたりの年齢が望ましいですが、転職や中途採用の場合は年齢に限りはありません。
キャリアや資格がなくても大丈夫。福祉業界で求められる1番の能力は「優しさ」です。あなたの優しさを地域福祉の世界で活かしてみませんか?
【ライター/福島 かざり(かざぐるま)】