公共施設から個人宅まで。幅広い電気工事を手がける会社です
有限会社永照電気は、電気工事業や管工事業、電気通信工事業を行っている会社です。従業員数は約8名とやや小規模ではあるものの、薩南工業高校の大規模改修工事や、平和公園陸上競技場のナイター照明設置工事といった大型案件から、民間企業や個人宅の照明・コンセント取付や空調工事など地元に寄り添った案件まで、大小さまざまな建物の電気工事を担当しています。
近年は再生可能エネルギー事業にも力を入れていて、太陽光発電の設計や施工も行っています。
以前は下山電設という名前で営業していましたが、2020年に社名変更し、それと同時に社屋も新しくしました。変更後の永照電気という名前には「永く営業を続けながら、地元を照らし続けていきたい」という社長の思いが込められています。
代表取締役の河野社長は42歳で、社員の平均年齢も35歳と比較的若い社員が多い会社です。社員同士の年齢が近いことで社内コミュニケーションが円滑化に進み、それが個々人の働きやすさにも良い影響を与えています。
40年以上の歴史があり、地元に慕われている電気屋さん
永照電気が社名を変更する前の、下山電設時代について。
創業者が事業を始めたのは1980年代頃で、有限会社として法人化したのは1994年。その後、約4年半前に、現在の代表取締役である河野社長に代替わりしました。
河野社長に創業者との関係について質問すると、血縁関係などの特別な間柄だったわけではないと意外な答えが返ってきました。
では、どういう経緯で継承に至ったのかを尋ねると、
「当時は県内にある大手の電設会社で働いていましたが、35〜6歳の頃に訳あって退職し、独立を考えていました。そんな時に知り合いの電気屋さんから、知覧の電気屋さんが後継ぎを探している、という話を聞いて当時の社長に会いに行きました」
そうして足を運んだ下山電設で創業者や同年代の社員と話す中で働きやすさを感じ、まずは社員として入社することに。その後しばらくして役員になり、約4年半前に社長に就任。社長就任の際は期待感だけでなく、社員やその家族まで食べさせていけるだろうか…と不安も大きかったようです。
社長の仕事は「働きやすい環境と仕事を作ること」
そんな河野社長に就任してからの4年半について尋ねると
「私の仕事は『社員が働きやすい環境を作ること』と『社員とその家族が食べていけるように仕事を作ること』だと思っています。その一環として近年は、再生可能エネルギー事業など新しい分野の開拓を積極的に進めています。会社としては売り上げの柱が増えるので良いことなのですが、現場を担当する社員からすると経験したことのない業務が増えて戸惑いもあると思います。
嫌々仕事をしている場合は、仕事が増えて大変だ…と思うかもしれませんが、永照電気の社員はそういった新しい分野に対しても面白がりながら、高いモチベーションで取り組んでくれるんですよね。とてもありがたいです」
「社長とはいえ私1人でできることは限られています。周りの人がいないと会社は成り立ちません。私自身、資格は持っていますが現場での作業が豊富なわけではないので、工事については得意な社員に任せています。だからこそ現場で頑張ってくれている社員にすごく感謝しているし、尊敬もしています」
そんな気持ちを表すように永照電気では、資格保有者に対して基本給与とは別に資格手当を毎月支給しています。また夏季と冬季の賞与の他に、売り上げが好調だった場合に限りますが、決算賞与も追加支給しています。
本当の意味で「地域を照らし続ける会社」を実現するために
今後の具体的な目標について尋ねると「会社のランクを上げることです」と語る河野社長。
鹿児島県の入札格付では、会社の業績や社内の資格保有者の人数など、様々な要素に応じて点数が付きA、B、Cとランク分けされる仕組みがあります。このランクは2年に一度見直され、上のランクになるほど受注できる仕事の規模が大きくなっていきます
「地域を照らし続けたいという思いから新しい社名を永照電気と名付けましたが、現状はランクが足りないため市内の大規模案件に対応できません。本当の意味で地域を照らし続ける会社を実現するために、Aランク取得は大事な目標です」
「電気関係で何かあったら永照電気」という状況を作りたい
河野社長が描く理想の会社像は「社員が営業マンとなり仕事を取ってくる会社」です。
ここで言う営業マンとは、○○しませんか?と売り込むような営業ではなく、現場の社員が良い仕事をすることで、お客さまに「またこの人にお願いしたいな」と思ってもらう。そして次の仕事に繋がるような、広い意味での営業を指します。
「永照電気には、○○さんに工事をしてもらえるなら次もお願いしたい、とお客さまから指名される社員がいます。それは社員が良い仕事をしたことでお客さまに評価されて、次の仕事に繋がったということです。そんな風に社員には、仕事が仕事を呼ぶような良い連鎖を繋げていってもらえたらと思います」
そうやって良い仕事を繰り返す中でお客さまと良い関係を築き、地元企業の中で「電気関係で何かあったら永照電気」と頭に浮かぶような状況を作りたいと考えています。
幅広い仕事を経験できて、成長できる会社です
永照電気では、大型案件から個人宅などの身近な案件までと仕事の幅がとにかく広いです。そのため入社当初は覚えることや勉強することが多く大変かもしれません。しかし視点を変えてみると、手がける仕事が増えるということは、自身の経験の幅が広がり成長する機会が増える、と考えることもできます。
また社員同士の年齢が近いことも幸いして、事務所と現場のコミュニケーションもスムーズに進んでいます。
例えば事務所が設計した図面に対して、現場の社員がお客さまとのやり取りの中で「これは変更した方が良いのでは?」と感じた場合は提案することもあるそうです。
今の職場で年齢の違いによる働きにくさを感じている経験者の方は、永照電気で働く未来を想像してみてはいかがでしょうか?
【ライター/福島 かざり(かざぐるま)】