創業ストーリー
人に支えられての今。だから人を大切にする。
創業のきっかけは35年前。当時、宮崎県に本社を置くブロイラー会社の事務職に従事していた徳満義弘さんが鹿児島工場の運営を任されたことから始まります。原料の仕入れから販売に至るまで全ての業務を一任され年商3億円を支えていた徳満さん。「事務職からの転身で苦労も多かったが、成長できた」と当時を振り返ります。
20年前、代表取締役に就任した徳満さんは社会的責任の重圧の中、金銭的な危機にも見舞われ人生最大の苦難を迎えました。「もうダメかもしれない…」と覚悟しますが、周囲の人に支えられ救われて今の軌道に乗ったといいます。
現在は商品の安定供給で信頼を重ねながら、鹿児島の食文化を世界へ発信。「人なくして企業なし」と、何より人材を大切にしています。採用時は社長自ら一人一人と必ず顔を合わせる丁寧な面接を心がけ、社員の誕生日にはプレゼントとメッセージカード。繁忙期に深夜まで残業をしてくれた従業員の家族にお詫びの手紙を書いたこともあるそうです。「見守ってくれる人がいるだけで人は嬉しいもの。人の心を大切にしたい」と、「地域貢献」と「社員の幸せ」のために今と未来を見守っています。
このシゴトで一番大変なこと
やりがいを見出すきっかけづくり
入社後はまず工場の現場を任されます。全体を経験しておかなければ将来、役員を務めることが難しいからです。しかし現場はひたすら鶏肉と向き合う毎日。
重いものを運ぶこともあるので体力も必要です。特に繁忙期は労働時間も長く、生産数を求め続けられるだけの日々。この期間、士気が高まる“何か”に気付くことが鍵だと思います。
しかし、商品の美味しさを知ることや技術の工夫で生産量が上がるなど、喜びにつながる機会はたくさんあるとのこと。そしてここでの経験は、開発や管理の業務に携わるときに必ず自身の支えとなるはずです。
私たちの10年後
我が子を入社させたい!そんな会社を作り上げること
南薩食鳥株式会社は現在、新たな加工品製造工場の建設を計画中。「それを作ったら、あとは若手に任せたらどうにかしてくれるだろう」とは社長の言葉です。次世代を担う取締役の迫憲幸さんや濱崎隼人さんは「自分の子どもに入社してもらいたい。多くのスタッフにそう思ってもらえる会社づくりが課題」と、仕事の楽しさや誇り、成長する喜びを後輩へ伝えるための施策に尽力することが役割だと目標を見据えます。
我が社の自慢
中小企業だからできる商品開発の挑戦と技術
社長が“若手のエネルギー”を信頼しています。チャンスを与えると人は成長するという経験を社長自身が持っているからです。新入社員も商品開発に積極的に参加して商品化を実現しています。
photo:新入社員が手作りで作った会社の求人ポスター。”通訳”のお仕事をお任せするので英語で作られています。こんなポスター作りも自主的に活動してくれる社員の姿に喜びが溢れる迫さん
photo:社長に新作の試食をしてもらう新入社員さん
面白いと思ったことを挑戦できる環境が社員の充実感と達成感につながっています。また外国人労働者の雇い入れや、「ハラルフード」を通じて海外進出を視野に入れるなど、鹿児島が誇る食文化を世界へ発信しています。
何をやっている会社
・鶏肉の加工
・販売、自社ブランド商品「味なとり」の製造・販売。