南国リゾートは南九州市知覧にある「知覧カントリークラブ」というゴルフ場を運営している会社です。従業員数は正社員、契約社員を合わせて60名ほど。その内、約半数が女性です。

開業から約30年間、多くのゴルフ愛好家に愛され続けてきました。コース設計は水のレイアウトを大胆に取り入れ「水の小林」と言われた、小林光昭氏。丘陵のあるコースはプレイヤーのスキルに合わせて複数のルートが用意され、それぞれに適したコースを選んで楽しめます。しっかりと距離があるため、スカッと打てる感じが気持ちよく、定期的に通われるお客様も多いです。

南九州市知覧というと、鹿児島市から距離があるように感じますが、車で移動する場合、鹿児島中央駅から40分、交通安全センターから20分。喜入駅からも20分ほどで到着します。県内外はもちろん、海外からのお客様も多く、幅広い方々に選ばれているゴルフ場です。

「南国リゾートで働いているキャディの大きな特徴は、勤続年数が長いこと。現在30〜50代で現役のキャディとして働いている多くが、新卒として入社した方々です。」

そう話してくれたのは総務部 次長の桑代さんと 総務部 課長の野口さん。

出産や子育てで一時現場から退くものの、職場復帰した人も多く、中には諸事情あり、再び戻ってきた人もいるそうです。業界の特徴上「ゴルフ好きがゴルフ場に戻っている」と分析することもできますが「一度離れてもまた戻りたいと思える、働きやすい職場である」とも言えます。

 

また福利厚生の面では「のびのびと心ゆくまでゴルフを楽しんでもらえたら。勤務後は場内の施設を使って、思う存分ゴルフの練習が可能です。プレイ料金については、従業員であれば『言えないほどの割引価格』で利用可能です。少しでも社員に恩返しを」とのこと。会社から社員に対する感謝の思いも込められています。

更に年に2回、ゴルフ場をお休みにして社内コンペを開催。社員の中には日常的にゴルフをプレーしない人もいますが「お客様目線でコースを見る」という意味もあり、全員参加でラウンドします。参加者全員に景品あり。成績優秀者には、豪華景品が贈られます。

一緒に働く仲間として最も求めている点は、お客様と元気にラウンド出来る程度の体力があり、気さくなコミュニケーションが取れること。

例えばお客様から「今日は天気がいいね」と話しかけられた際に「そうですね」で終わらず「気持ちがいいですね」「明日も晴れるみたいですよ」「明日は何か予定があるんですか…」と、1つの話題から次の話題へ繋げられるようなコミュニケーションが取れる方を求めています。

ゴルフの知識やマナーについては、入社後1ヶ月前後（全20回ほど）の研修を通して学んでいくため、未経験でも大丈夫です。「子育てに少し余裕が出てきたから、ちょっとずつ仕事を再開しようかな」「時間ができたから、趣味のゴルフをまた始めようかな」など。40代からのスタートも歓迎しています。

選考は面接にて。採用後は1ヶ月前後の研修は必要ですが、勤務回数は月1、年数回程度でも構いません。もちろん、もっと出勤できる方も大歓迎です。他のゴルフ場のようなノルマもありません。

正社員登用制度もあり、長期的に働きたい人にも向いています。従業員の平均年齢は48歳。高校を卒業したばかりの18歳から、子育てを終えた60代まで幅広い年代が働いています。

キャディの皆さんに、お仕事について尋ねると「働きやすい」という明るい声が。20代から働いている人が多いからか、キャディ同士の連携も強いように感じます。

「長く働ける理由はありますか？」という質問には「ゴルフが好きだから」とシンプルな答え。「お客様と一緒にラウンドを回り、たくさん歩いた後に食べるご飯が美味しい」と笑いながら話すキャディの皆さんを見ていると「あのキャディさんに会いに、また行こうかな」と思うお客様も少なくないような気がしました。

目指すは「鹿児島のゴルフ場といえば、知覧だよね」と言われるような、鹿児島ナンバー1のゴルフ場です。そのためにはゴルフ場としての価値向上はもちろん、従業員とお客様とのコミュニケーションを大切にして、プレーしてくれるお客様の満足度を高めていく必要があります。

現在は人手不足のためキャディを希望されるお客様にセルフで回っていただいたり、キャンセル待ちでご案内することもあり、機会損失が発生している状況です。

今後はキャディを始め新入社員の育成にも力を入れ、ゴルフ場としての価値向上に尽力し、知覧カントリークラブを愛してくれているお客様に「またプレーしたい」と思ってもらえるような環境を整えていけたらと考えています。

 

【ライター／福島 かざり（かざぐるま）】